キレイなネット株
今日では、証券総合口座はディスカウント・ブローカーをはじめとして主だった証券会社が提供するコモディティ化された商品になっており、銀行の中にも証券総合口座を取り扱うものが増えています。
証券総合口座はもはや証券取引におけるインフラになっているのです。
証券会社にとっての証券総合口座の位置づけ証券総合口座が証券取引にあたってのインフラと化していることは、先述のように米国証券会社のリテール営業の重点が顧客の長期的な資産形成に対するアドバイスに移行していることと深いつながりがあります。
米国でも、証券総合口座が初めて導入された20年ほど前には、証券会社の業務の本旨は顧客の有価証券売買の仲介であるとの認識が強かったようです。
とりわけ、歩合制である証券ブ口ーカーは、証券総合口座を販売しでも証券売買には直結せず自分の報酬にはつながらないと考えて、証券総合口座を扱おうとしなかったとされています。
ところが、 80年代初頭の高金利期に顧客が証券総合口座に金融資産を集結きせるようになると、証券ブローカーも、それまで顧客の金融資産のごく一部しか手掛けてこなかったことを痛烈に認識するようになったようです。
ブローカーが目先の売買手数料稼ぎに明け暮れるのではなく、顧客の金融資産を包括的に把握し、長期的な金融資産の形成に関与しながら手数料をあげていく方法へと目を向けていく一つのきっかけになったわけです。
今日では、 CMAの典型的な顧客は金融資産の4分の3をCMAに置いていると見られており、証券総合口座は預かり資産営業を推進するにあたっての重要なツールとして使われています。
最近では、さらに進んで、証券総合口座をファイナンシャル・プランニングのベースとして積極的に活用する動きも出ています。
Mは96年に月次報告書を改訂し、 CMAに置かれている金融資産のアロケーション状況をグラフ化して表示するサービスを始めています(右ページ参照)。
もし、顧客がすべての金融資産をCMAに入れれば、この顧客は自分の金融資産のアロケーションの全容が毎月アップデートされて手元に届くことになるわけで、顧客にとってはCMAに金融資産を集結させようというインセンティブになるものと考えられます。
このようにして顧客の金融資産の全容把握を進めることで、証券会社はブローカーが顧客の長期的な資産形成のためのファイナンシャル・プランニングの作成と実践をより的確かつ効果的に行えるよう支援しているのです。
わが国でも、新たに導入きれる証券総合口座を預かり資産営業の核として育て使いこなしていくことが重要だと思われます。
ここでは独立系公販で独自の企業戦略を展開しているフェデレーテッドを紹介したいと思います。
フェデレーテッドの運用資産(除くMMF) は、 65%が債券ファンド、 35%が株式ファンドで、債券ファンドが中心の投資運用会社です。
また、内部の資産運用方針においても、厳しいトップダウン型のスタイルを取っています。
投資運用会社も利益を目標とした企業群ですから、当然のことながら、企業戦略があります。
日本では、投資運用会社の戦略として、どのような運用スタイルを取っているのか、ファンド・マネジャーはどう評価されているかといった投資方針や報酬戦略に注目が集まります。
しかし、そもそも投資運用会社の企業戦略の原点とは、ニッチ化(投資信託のみでいくのか、年金のみでいくのか)と多角化(投資信託と年金運用の両方を行う)のどちらの道を選択するのか、ではないでしょうか。
投資信託専業の運用会社フェデレーテッドは、明確にニッチ化の戦略を実施している会社なのですi投資信託を設定し、銀行、証券、保険会社といった販売業者を経由して最終投資家に投資信託を販売する。
一任分離勘定である年金運用ビジネスには参入しない」が基本ポリシーとなっています。
投資信託の直販市場に参入する場合を想定するならば、直販大手の年間広告宣伝費は巨額にのぼります。
フェデレーテッドの場合、販売業者を経由して投資信託を販売しているため、最終投資家向け広告宣伝は行われていないのが現状です。
経営戦略上、直販市場への参入はコスト効率性の面からみて問題が多いと判断されたのです。
また一任個別勘定の年金運用市場に参入する場合には、直接機関投資家を訪問するマーケテイング・スタッフを多数抱えなければなりません。
このように、多角化を進めていくと、収益面での効率性が損なわれていくのです。
米国で多角化戦略を実施している投資運用会社は、ビジネスが幅広く分散することによって低収益となりがちなことを十分承知しています。
しかし、収益性が低くなったとしても、ビジネスを分散することによって、毎年無理なく安定的に収益をあげていくことが重要だと判断しているのです。
ニッチ化による高収益とニッチ化ゆえの事業リスク、多角化による収益性の低下と事業リスクの低下は、米国投資運用会社においても重要なテーマなので、す。
日本における投資運用会社では、この種の議論はまだ行われていないように思われます。
規制緩和によって業務範囲が拡大したから年金運用だけでなく投資信託の設定も行う、 といった行動パターンのように見受けられます。
しかしやがて、 自分たちのコア・ビジネスとは何か、費用対効果をどのように判断していくかが極めて重要な問題となっていくものと思われます。
参入を続けている国内投資運用会社のすべてが、年金、投資信託すべての分野で成功するとは考えられないからです。
前ページの下にフェデレーテッドの組織図を示しました。
本体で運用が行われ、関係会社で、マーケテイングが専門に行われています。
マーケティング・チャネルは3本に分かれています。
まん中の小口投資信託が通常のチャネル、すなわち、証券会社、銀行、保険会社といった版売業者を経由して、投資信託を個人投資家に販売する形です。
一番上の大口投資信託は日本ではまれなものです。
前ページ上の表で、フェデレーテッドとFの投資信託の最低ロットを比較しています。
フェデレーテッドのほうが一桁大きい数値になっていることが理解されると思います。
フェデレーテッドは、大口と小口の2種類の投資信託を装備しているのです。
標準的な投資金額は、大口投資家の場合は数百万ドル、小口投資家、すなわち個人の場合、1 -2万ドル程度となっているようです。
大口投資信託は、銀行の信託部門に主として販売されています。
米国においては、多くの銀行が信託部門を持ち、年金、あるいは、プライベー卜・バンキング部門向けの資産運用が行われています。
この際、専門別ファンド・マネジャーを取り揃えて、すべて内部で運用する体制を構築するか、あるいは、運用の一部については、すでにポートフォリオとなっているミューチュアルファンドを購入するかは、費用対効果の問題で解決されます。
ここに大口投資信託のマーケットが存在するわけです。
日本においては、常にフルラインというコンセプトが一般的だと思います。
しかし、わが国金融市場は「ピック"パン」の大競争時代に突入しようとしていますrここまではインハウスで行う。
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